水田魚道

昔は、六方田んぼでも給排水は水路を通して行っていたので、川と水路と水田が繋がっていた。
魚は水路を通って川と水田を行き来していた。
水田は、魚にとって繁殖の場所であり、魚を食べるコウノトリの餌場だったのだ。

農作業が機械化され、トラクタ、コンバインなど機械が大型化して、これら農業機械を効率をよく動かすために、区画を大きくし、乾田化する必要が生じた。
そこで圃場整備事業によって、水田に盛り土し、暗渠排水するため水田と水路の落差を大きく取った。
ポンプで揚水しパイプ配管で給水するので、水田と水路のつながりが遮断された。
同時に、毒性の強い農薬が大量に使用されるようになったことも重なって、六方田んぼから魚が姿を消した。

そして今、コウノトリの野性復帰事業を推進する上で、田んぼの自然再生の重要性が認識され、水田魚道が設置されるようになった。

豊岡土地改良事務所では、平成17年に河谷の田んぼに設置して以来、六方田んぼで水田魚道の設置を順次進めている。

 


 

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平成17年度設置
場所:八反田217
面積約80アールのビオトープ水田に、同時に2カ所設置された。
六方田んぼで最初に設置された魚道である。
この場所は、平成18年に放鳥拠点施設が設置され、4羽のコウノトリが入居し、3ヶ月間を過ごして同年9月に自然放鳥された。

 

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開放魚道部分の拡大写真
この部分は開放魚道になっているが、この手前、水路への接続は暗渠構造になっている。

 

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平成18年度設置
場所:八反田213、町井290
河谷放鳥拠点北側の田んぼに設置された。
魚道部は全面埋設されている。(赤色鎖線)
構造物を隠して、畦畔の草刈りや、草焼きに影響しないようにするための配慮だ。

 

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平成19年度設置
場所:セリノ315、セリノ327、セリノ375
「魚類生息区域モデル実証事業」による設置。

 

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魚道を水路側から見たもの
構造は、ポリエチレン製の波U字溝をステンレス鋼材で補強してある。

 

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魚の安全場所
魚が安全に棲めるように、田んぼを掘り下げて深みが設けてある。

 

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新田プロジェクトEが設置した魚道
設置:平成19年3月29日
場所:セリノ366
新田小学校並びに豊岡南中学校の児童生徒で構成する「プロジェクトE」の活動で魚道を設置した。
すべて木材を使用した構造で、豊岡土地改良事務所の田和さんが設計、指導した。

 

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魚道の効果
上の写真の田んぼのあちこちで、ナマズが産卵していた。
数週間後、生きもの調査をしたところおびただしい数の、ナマズの稚魚がいた。
ナマズは田んぼの泥に産卵し、産卵が終わると川に帰るという。